見えない糸に導かれた親友対決〜中京大中京、上野翔太郎のかっこよさ
こんばんは、フサイチです。
今日は甲子園に出場したのは3試合ながら、
私たちに強烈なインパクトを残した右腕、
中京大中京高校、上野翔太郎投手について書きます。
愛知、中京大中京高校といえば、甲子園の覇者です。
中京商時代から甲子園に出れば優勝を繰り返し、
春4回、夏7回の優勝、通算133勝はどれも全国No. 1です。
全国制覇を成し遂げますが、翌2010年に早稲田実業に21−6で敗退、
その後、春夏の甲子園から5年間遠ざかっていました。
上野翔太郎は、そのチームを5年ぶりの甲子園に導いたエースです。
1年夏からベンチ入りし、2年秋からエースとして活躍しますが、
故障などもあり、彼が本当に輝いたのは2015年、最後の夏です。
地方大会では東邦、愛工大名電などの伝統校を撃破し、
チームを5年ぶりの甲子園に導きます。
甲子園では初戦の岐阜城北戦で1失点、10奪三振で完投勝利を収めます。
次戦の鹿児島実業戦でも持ち前の制球力を発揮し、
3失点ながら2試合連続の完投勝利を収めます。
そして、この大会ベストゲームの一つに数えられている、
関東一戦を迎えます。
相手の関東一の捕手、鈴木大智とは親友同士でした。
中学では同じチームでバッテリーを組み、甲子園での真剣勝負を約束した仲、
両者にとっては運命の対決になりました。
上野は5回までヒットを許さない完璧な投球を見せます。
6回に一死二塁のピンチを迎えるも、オコエ琉偉(現楽天)を三振に取り、
ピンチを凌ぎます。
しかし、7回には二死一、三塁と今日最大のピンチとなります。
ここで、打席には鈴木を迎えます。
熱闘甲子園では、
「見えない糸に、導かれ・・」
と、この勝負を表現していましたが、まさに運命の勝負となります。
上野は鈴木を相手に、明らかにギアを上げ全力投球、一休に魂を込めます。
鈴木もそれに呼応するように粘りを見せます。
微笑みあいながら、この勝負所を楽しむ二人。
誰も入り込めないような、でも小学生の遊びのような、
そんな不思議な勝負となります。
最高にかっこいい場面でした。
決着は12球目、高めのストレートを鈴木が空振り、上野が三振に切ってとります。
9回裏にサヨナラ本塁打を浴び、1−0で関東一が勝利するものの、
この対決は強烈なインパクトを残しました。
最速144kmながら、ノビ、キレとも抜群のストレートと、
チェンジアップを効果的に使い、
なにより針の穴を通すコントロールの魅力の投球です。
高校日本代表にも選ばれ、W杯では3試合に登板、
エース級の活躍を見せます。
18回を無失点に抑え、韓国、アメリカなど、世界の強打者を手玉に取りました。
大学では怪我に悩まされましたが、今後の活躍に期待です。