甲子園に愛された「がばい旋風」の奇跡〜2007夏決勝、佐賀北vs広陵
こんばんは、フサイチです。
今日は、「がばい旋風の奇跡〜2007夏決勝、佐賀北vs広陵」
というテーマで書きます。
「がばい旋風」か、伝統校初の悲願か。
2007年夏の甲子園決勝は、「奇跡」が起こった伝説の一戦となりました。
佐賀北は、馬場と久保の両右腕の継投で勝ち進んできました。
2回戦の宇治山田商(京都)戦では、延長15回引き分け再試合を制し、
勢いに乗ります。
準々決勝の帝京(東東京)戦では、延長13回サヨナラ勝ち。
手に汗握る激戦を乗り越え、「がばい扇風」の勢いそのままに、
決勝の舞台に臨みます。
広陵は、春夏合わせ45回の甲子園出場を誇る伝統校です。
春は2度優勝を経験していますが、夏の全国制覇を成し遂げたことはありません。
準優勝4度と、あとひとつ優勝に届きませんでしたが、
この年は違いました。
上本崇司(現広島)、土生翔平(元広島)と、
4人のプロ野球選手がスタメンに名を連ねる、圧倒的な優勝候補でした。
広陵5度目の正直、初の全国制覇へいよいよあとひとつ。
「がばい旋風」最終章、奇跡を起こすか。
試合は広陵ペースで進みます。2回に2点を先制すると、
7回にもエース野村自らタイムリーを放ちます。
野村は投げても完璧な投球。
許したヒットは1本のみ、4−0で終盤を迎えます。
佐賀北は毎回走者を背負い、苦しい展開。
一方広陵は、徐々に差を広げ、全国制覇をほぼ手中にしていました。
8回裏、佐賀北は一死から久保がレフト前ヒットを放ちます。
初回から大声援を送り続けていた緑のアルプスは、
久々のヒットに、今日一番の歓声を送ります。
このヒットから、球場の雰囲気が変わり始めます。
声援の後押しを受けるように、新川もヒットでつなぎます。
さらに辻が四球を選び、一死満塁。
スタンドのボルテージは最高潮となります。
野村がボール球を投げるたびに、スタンドは大歓声。
さすがに投げづらいか野村、
次打者の井出に際どいコースを突くも、押し出し四球を与えます。
4−1なお、一死満塁。
打者は3番副島、ここまで甲子園2本塁打の強打者です。
いつの間にか、球場全体に広がった声援を背に受け、
3球目を強振。
早々にレフトが追うのを諦め、スタンドイン。
逆転満塁ホームランで、5−4。
球史に残る名シーンが生まれました。
9回、広陵は粘りを見せるも、
最後は野村が三振に倒れ、試合終了。
圧倒的な力で試合を優位にすすめていた広陵、
ほぼ手中に納めていた初の全国制覇は、
目前で手からすり抜けて行きました。
甲子園を味方につけた「がばい旋風」が、
球史に残る奇跡を生み出しました。