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29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

強打の三高、監督を日本一に〜日大三高の強さの秘密

こんばんは、フサイチです。

さて、今日は「強打の三高、監督を日本一に〜日大三高の強さの秘密」

というテーマで書きます。

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デイリースポーツより転載

 

西東京の強豪、日大三高は甲子園の常連校です。

近年では、2011年夏の日本一に輝いています。

このチームは長い甲子園の歴史を見ても、類を見ない強打のチームでした。

甲子園で4試合の2桁得点を叩き出しましたが、これ90年ぶりの大記録。

特に、3番畔上、4番横尾(現日ハム)、5番高山(現阪神)のクリーンアップは、

史上最高のクリーンアップと言っても過言ではないと思います。

そして、エースの吉永もプロ注目の好投手でした。

シンカーを効果的に使い、5試合を完投しました。

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スポニチより転載


さらに、2018年夏の甲子園では、

持ち前の強打に加え、粘り強さも発揮します。

3回戦、準々決勝と1点差ゲームを勝ち切りベスト4に進出します。

準決勝では金足農業と、球史にのこる激闘を繰り広げました。

2−1で敗れたものの、終盤の粘りは見ている人間の心を打ちました。

 

その強さの裏に、監督の存在があります。

日大三高小倉全由監督。

甲子園通算37勝の名将です。

 

地獄の冬合宿、寮生活での選手との濃密な関わりなど、

父親のように選手に寄り添い、

選手のモチベーションを高めていく、理想の監督だと思います。

 

小倉監督が監督に就任してから、日大三高は強打のチームとなりました。

「野球は打たないと勝てない」と小倉監督も語っているように、

今や「強打の三高」として、全国に恐れられています。

 

小倉監督には忘れられない試合があると言います。

それは、2006年夏の西東京大会決勝です。

この年の甲子園の優勝校は、斎藤佑樹を擁する早実でした。

その早実と地方大会の決勝で、大激闘を演じたのが日大三でした。

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文春オンラインより転載


小倉監督は、この激闘を振り返り、

「周りには歴史に残る素晴らしい試合だと褒められたが、

監督の私が負けさせてしまったと思う采配ミスがいくつもあった」

と述べています。

早実の選手が三塁の選手にタックル気味に激突したプレーがありました。

これは、周りから見るとかなりのラフプレーで、

三高の選手は激怒し、早実の選手を睨みつけていました。

それに対し小倉監督は、「もういいだろ」と選手をなだめたと言います。

 

しかし監督自身は後にこのプレーを振り返り、

もっとふざけるなという気持ちを前に出して、

もっと選手を発奮させるような声がけをすればよかったと述べています。

「あんな野球に負けるな」

「舐められて野球をやってるんじゃないぞ」

そういう声がけをして、発奮させる演技が必要だったと言います。

このように、自分の采配を振り返り、

ミスを省みることができるところが、名将たる所以です。

 

2017年神宮大会、同じように本塁クロスプレーで

相手選手がキャッチャーにタックルしたときは、

監督自身、ベンチを飛び出して猛抗議していました。

 

もちろん監督に許されている行為ではありませんが、

選手を大事にしていることが分かる行動ではあると思います。

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日刊スポーツより転載


このように、三高の強さは、小倉監督の存在があってこそです。

今後の活躍が楽しみです。