とてつもないドラマ〜2017夏、大阪桐蔭vs仙台育英
こんばんは、フサイチです。
書きたいと思います。
春のセンバツを制した大阪桐蔭に、東北の雄仙台育英が挑んだ一戦は、
球史に残る、信じられない結末となりました。
1、優勝候補が有利か
1番藤原、3番中川、4番根尾、6番山田といった、
2年生が中心の若いチームです。
また、主将の福井は「非常に高いキャプテンシー」と西谷監督のお墨付き。
初戦は強豪智弁和歌山を相手に、2−1と競り勝ちました。
一方仙台育英は、守りのチーム。
エースの技巧派左腕長谷川、ショートの西巻を中心に、
接戦をモノにする力があります。
エース長谷川はここまで甲子園で無失点。
制球力を武器に完璧な投球を見せています。
2回戦の日本文理戦で完封勝利し、勢いがあります。
エース長谷川は好投手ですが、
やはりセンバツ王者の大阪桐蔭に分があるかという戦前の見方でした。
仙台育英としては、
「打ち合いになったら、お疲れ様でしたになってしまう」
と佐々木監督が言うように、
ロースコアの接戦に持ち込めば勝機ありと見ていました。
2、投手戦の様相
大阪桐蔭は、智弁和歌山戦で127球を投げ完投した、エース徳山を温存。
2年生の柿木が先発します。
序盤は完璧な投球を披露します。
チャンスらしいチャンスもなく、0−0のまま、
試合は終盤に向かいます。
3、次期キャプテンの先制タイムリー
3番中川がレフト前にしぶとく運び、先制します。
中川はこの日2安打を放ち、左対左を物ともせず、
中軸の役割を果たします。
1点を先制された仙台育英は8回裏、
二死一二塁で2番鈴木がレフト前ヒット、
二塁走者が本塁を狙うも、タッチアウト。
千載一遇の同点のチャンスを逃し、勝負ありかと思われました。
3、あと1人
仙台育英のエース長谷川が9回表を抑え、1−0。
仙台育英は9回裏の攻撃に全てをかけます。
好打順も3、4番が倒れ、二死。
柿木といえど、2年生です。
球は上ずり、ストレートも全てシュート回転して甘く入ります。
しかし、気迫で二死までこぎ着けます。
二死から、5番杉山がセンター前ヒット。
同点のランナーを出します。
6番渡部の2球目に盗塁、二死二塁とチャンスを広げます。
渡部はその後、ストレートの四球を選び、二死一二塁となります。
捕手のキャプテン福井は仕切りにベンチを見ています。
徳山も根尾もスタンバイしている状況でしたので、
投手交代を望んでいるようでした。
4、とてつもないドラマ
仙台育英の打者は途中出場の若山。
初球でした。
低めの球を打つもショートゴロ。
試合終了と思われました。
しかし、ファースト今日2安打の中川が、ベースを踏み外しセーフ。
二死満塁となります。
続く打者は途中出場の馬目。
2球目をとらえた打球は、左中間を大きく破る、
逆転サヨナラタイムリー。
2−1。
大阪桐蔭の春夏連覇の夢を打ち砕く、とてつもないドラマでした。
ベースを踏み外した中川、逆転サヨナラ打を打たれた柿木、
彼らはこの悔しさをバネに、翌年春夏連覇を成し遂げることになります。
こんな試合があるから、高校野球は素晴らしいんです。