Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

夏の甲子園中止〜指導者として、思うこと

こんばんは、フサイチです。

夏の甲子園、中止。

戦後初です。

 

今の率直な気持ちを、書きたいと思います。

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サンスポより転載


うーん、なんと表現していいのか、分からないのですが、

心にポッカリ、大きな穴が空いたようです。

おそらく、3年生は、僕よりショックを受けているに違いありません。

 

教師として、指導者として、彼らにかけてあげる言葉が見つかりません。

指導者失格です。

 

球児にとって、甲子園ってなんでしょう。

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朝日新聞より転載


たぶん、心の拠り所なんです。

球児に限らず、高校生は輝きたいと思っています。

「今の若者は無気力」

ってメディアが取り上げることが多いです。

実際現場にいても、正直、頑張ることから逃げ、

めんどくさいことはやらない高校生ばかりです。

 

でも、なりたくて無気力になっているわけじゃない。

一生に一度の高校生活、何かに一生懸命打ち込みたい、青春したい、

仲間と泣いたり笑ったりしたいと思っています。

輝ける場所を大人が用意できていないだけ。

いつも高校生はワクワク、ドキドキしたいと思っているんです。

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スポニチより転載


僕は球児時代、あと一勝で甲子園を逃しました。

あとひとつ勝てば甲子園。

もちろん、めちゃくちゃ悔しかったです。

でも、誤解を恐れずに言います。

甲子園に行けるか行けないかなんて、

本当は大した問題じゃないんです。

 

甲子園を目指して、

一生懸命努力できた瞬間、

死ぬほど勝ちたいと思った瞬間、

仲間と一緒に苦難を乗り越えた瞬間、

その瞬間瞬間、球児は輝いてるんです。

青春しているな、生きているなって感じることができるんです。

 

甲子園を目指すということは、

輝きたいと思っている高校生が輝いている瞬間です。

だから、甲子園という場は球児には心の拠り所なんです。

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With Newsより転載


甲子園中止報道直後、Twitterでは

「三年間ありがとう、楽しかった」

と、野球部員がツイートをしていました。

それは私は、本心ではないと思います。

うそでしょ。

本当は、なんとも言えない寂しさに襲われているくせに、

心に大きな穴が空いているくせに、

もう頑張れないのが、悔しくて仕方ないくせに。

 

指導者のくせに、僕も同じです。

「また次のステージで頑張れよ」

なんて指導者らしいことは言えません。

 

大人が道を切り開いてやれなくて、ごめんな。

輝かせてあげられなくて、ごめんな。

今は次の目標なんてわからないかもしれないけど、

時間がかかってもいいから、一緒に見つけて行こう。