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29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

一斉休校が続くと何が起こるか〜戦後最大の休校が生み出す3つの弊害

こんばんは、フサイチです。

高校教師で、国語科で、野球部監督で、新一年担任です。

異動した高校で即担任だったので、

 

「これは初年度から忙しくなりそうだな、気合いはいるわ」

 

と思っていたんですが、コロナ。

たまに学校に行きながら、自宅警備員としてこの1ヶ月勤務しました。

 

戦後初の一斉休校。

学校現場で働いている人が、誰も経験したことのないことです。

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Yahooニュースより転載

東京都は一斉休校を5/10まで延長しました。

5月いっぱいまで延長した都道府県もあります。

学校を再開したら、通学中や学校生活中、

多くの場面でいわゆる「3密」の状況を余儀なくされます。

クラスターも怖いです。

 

しかし、ずっとこのまま一斉休校というわけにも行かなそうです。

なぜなら、一斉休校による弊害も、多くあるからです。

 

一斉休校が続くと何が起こるんでしょうか。

次の3つの視点から考えて行きたいと思います。

 

 

1、学力格差の拡大

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学校を再開しないと、各家庭の教育力に依存するため、

学力の格差はエグいくらい広がります。

やる子とやらない子がハッキリ分かれます。

オンライン授業受けながら携帯いじってても、ほぼバレないです。

そして、バレても怒られないし没収されないです。

 

2、コミュニケーションスキルの低下

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生徒の対人関係に目を向けてみます。

休みが続くと、話す相手は限定されます。

家族、仲の良い友人、彼氏彼女、バイト仲間、SNS上の気の合う仲間、

以上です。

家族か仲良しのグループとしか話さないんですよね。

学校の授業があると、話したくない相手でも話さなきゃいけない状況があります。

 

授業のペア学習、先生への提出物の提出、部活の先輩などなど、

 

挙げると意外とたくさんあります。

気心の知れた相手とばかり話していると、コミュニケーションが限定されます。

言葉遣いも、多少間違えても仲良しだから大丈夫です。

これがコミュニケーション能力の低下に繋がります。

 

3、ストレス耐性がなくなる

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最も深刻な問題です。

Stay Homeは、生徒にとっては苦痛ではありません。

ゲームもできるし、仲の良い友達とはLINEできるし、

ダルい授業受けなくて良いし、親は仕事行ってていないし。

そう思っている生徒がかなり多いようです。

 

「やりたいことだけやってれば良い」

 

これって、ヤバいと思いませんか。

授業、委員会、部活、

時間で区切られた制限のある生活は、ストレスがかかります。

このストレスが緊張感を生み、メリハリのある生活を促します。

人間はある程度ストレスがないと、たるんだ糸のように、

覇気のない生活になってしまいます。

 

長期にわたり、このように糸がたるみ続けるとどうなるか。

 

「我慢」ができない子が生まれることになるでしょう。

小さなことでひどく落ち込んだり、自分を傷つけたくなったり、

そういう子が増えてしまうのではないかと危惧されます。

今の状況でも勉強できる子は、そもそも学校がなくても自制できる子です。

しかし、そのように自制ができる子は一握りです。

また、たゆんだ糸はそう簡単には元に戻りません。

 

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まとめると、一斉休校が続くことによる弊害は、

1、学力格差の拡大

2、コミュニケーション能力の低下

3、ストレス耐性がなくなる

となりそうです。

 

一斉休校の落とす闇は深そうです。

かと言って、生徒の安全が第一なのは言うまでもありません。

「これが正解」というものもなさそうです。

どうやら新採の頃を思い出して、

手探りながら最適解を出し続けるしかなさそうですね。