一斉休校が続くと何が起こるか〜戦後最大の休校が生み出す3つの弊害
こんばんは、フサイチです。
高校教師で、国語科で、野球部監督で、新一年担任です。
異動した高校で即担任だったので、
「これは初年度から忙しくなりそうだな、気合いはいるわ」
と思っていたんですが、コロナ。
たまに学校に行きながら、自宅警備員としてこの1ヶ月勤務しました。
戦後初の一斉休校。
学校現場で働いている人が、誰も経験したことのないことです。
東京都は一斉休校を5/10まで延長しました。
5月いっぱいまで延長した都道府県もあります。
学校を再開したら、通学中や学校生活中、
多くの場面でいわゆる「3密」の状況を余儀なくされます。
クラスターも怖いです。
しかし、ずっとこのまま一斉休校というわけにも行かなそうです。
なぜなら、一斉休校による弊害も、多くあるからです。
一斉休校が続くと何が起こるんでしょうか。
次の3つの視点から考えて行きたいと思います。
1、学力格差の拡大
学校を再開しないと、各家庭の教育力に依存するため、
学力の格差はエグいくらい広がります。
やる子とやらない子がハッキリ分かれます。
オンライン授業受けながら携帯いじってても、ほぼバレないです。
そして、バレても怒られないし没収されないです。
2、コミュニケーションスキルの低下
生徒の対人関係に目を向けてみます。
休みが続くと、話す相手は限定されます。
家族、仲の良い友人、彼氏彼女、バイト仲間、SNS上の気の合う仲間、
以上です。
家族か仲良しのグループとしか話さないんですよね。
学校の授業があると、話したくない相手でも話さなきゃいけない状況があります。
授業のペア学習、先生への提出物の提出、部活の先輩などなど、
挙げると意外とたくさんあります。
気心の知れた相手とばかり話していると、コミュニケーションが限定されます。
言葉遣いも、多少間違えても仲良しだから大丈夫です。
これがコミュニケーション能力の低下に繋がります。
3、ストレス耐性がなくなる
最も深刻な問題です。
Stay Homeは、生徒にとっては苦痛ではありません。
ゲームもできるし、仲の良い友達とはLINEできるし、
ダルい授業受けなくて良いし、親は仕事行ってていないし。
そう思っている生徒がかなり多いようです。
「やりたいことだけやってれば良い」
これって、ヤバいと思いませんか。
授業、委員会、部活、
時間で区切られた制限のある生活は、ストレスがかかります。
このストレスが緊張感を生み、メリハリのある生活を促します。
人間はある程度ストレスがないと、たるんだ糸のように、
覇気のない生活になってしまいます。
長期にわたり、このように糸がたるみ続けるとどうなるか。
「我慢」ができない子が生まれることになるでしょう。
小さなことでひどく落ち込んだり、自分を傷つけたくなったり、
そういう子が増えてしまうのではないかと危惧されます。
今の状況でも勉強できる子は、そもそも学校がなくても自制できる子です。
しかし、そのように自制ができる子は一握りです。
また、たゆんだ糸はそう簡単には元に戻りません。
まとめると、一斉休校が続くことによる弊害は、
1、学力格差の拡大
2、コミュニケーション能力の低下
3、ストレス耐性がなくなる
となりそうです。
一斉休校の落とす闇は深そうです。
かと言って、生徒の安全が第一なのは言うまでもありません。
「これが正解」というものもなさそうです。
どうやら新採の頃を思い出して、
手探りながら最適解を出し続けるしかなさそうですね。