Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

「コロナ時代」の教育〜学校の勉強はもう古い

こんばんは、フサイチです。

学校は始業式があり、多くの生徒が登校しました。

一日だけの登校で、ここからまたGWまで一斉休校です。

今日の登校により感染する可能性が大いにあります。

政府は明日、緊急事態宣言を出すようですが、

もう一日でも早ければなと思わざるを得ません。

そして、

明日予定されていた入学式は中止になりました。

椅子を並べ、呼名の練習もしたのに!

明日しか来ないから、伝え漏れ事項がないよう何回も確認したのに!

でも生徒の安全が第一だから、しょうがないです。

初めての担任の先生が二人いて、その人たちがかわいそうだけど、

これも一生に一度しかない、いい経験だと思うのでね。

 

生徒に聞いても、家にいることは少なかったそうで、

「バイトばっかりしていた」

「友達と遊んでいた」

など、様々です。

高校生にとって、自分の身を自分で守ることは難しい。

遊びたいし、外に出たいんです当然。

大人がちゃんと方向を示して、守ってあげないとですね。

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ライフハッカーより転載



今日は、昨日に引き続き、コロナ時代について書きたいと思います。

昨日、コロナ時代は「人と人との距離が遠くなる社会」であると述べました。

新型コロナにより、人々は互いの接触を避けるため、

コミュニケーションの場は、ネット空間に大きくシフトし、

「ネットで完結する社会」へと完結します。

インターネットでのやりとりのみで、価値が生み出され続ける社会です。

 

そんな「コロナ時代」においては、

今の教科教育が急速に意味を失っていくでしょう。

たとえば、『羅生門』の作者を知らなくても、

検索すれば、2秒でわかります。

どこにでも“答え“が溢れているため、

”答え“を知り、覚えることに意味はないんです。

世の中はVUCA時代とよばれ、目まぐるしいスピードで価値が変わっていきます。

学校の勉強は、とっくに古いんです。

 

私たち教師はアップデートして、

「コロナ時代」に対応できる人間を育てていかなければなりません。

 

子どものために、今必要な力はなんでしょう。

 

まずは、「大局観」です。

将棋の羽生善治さんは、試合の中で現状を正確に捉え、

この先どうしたらいいのか、という状況判断ができる力を

「大局観」と呼んでいます。

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日本将棋連盟より転載


新型コロナウイルスで、何が変わり何が変わらないのか。

社会がどうなり、どのようなことに価値が生まれるのか。

それが続くのか、一過性のものなのか。

正確に見極める「大局観」が必要になります。

思考が柔軟な子どもと一緒に、すぐにでも考えたいです。

 

その価値を生かすのが、「広告力」です。

「ネットで完結する社会」における顧客は、

見たことのない他者であり、会ったことのない他人、

つまり「インティメイト・ストレンジャー」と呼ばれる存在です。

自分の見つけた価値を世に広める戦略は、

今までと質が変わるのは明らかです。

私たち国語教師は、今まで日本語を長く守り続けるための「言葉の力」

つまり、「言葉のもつ美しさ」を教える役割を担ってきました。

枝葉が変わっても、日本語の根幹が守られているのはそのためです。

しかし、それは生徒一人一人が生きる力ではありません。

美しい日本語を連発しても、SNSでは誰も振り向きません。

私たちが今教えなきゃいけない「言葉の力」は、

多くの人に価値を伝える「広告力」です。

インティメイト・ストレンジャーを相手に、自分の価値を発信していく力です。

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『革命のファンファーレ』(西野亮廣著)

を読了し、今は

『ザ・コピーライティング』(ジョン・ケープルズ著)

を読んでいます。

当然ですが、国語とは全然違うなと、実感しています。笑

入学式の日に生徒に勧めようと思ったのに。