大胆かつ緻密な狭間野球〜中森、来田擁する明石商の魅力
こんばんは、フサイチです。
一斉休校から一ヶ月、学校は閑散としています。
グラウンドも、例年なら練習試合で活気に溢れているのですが、、
球春はいつになったら来るのでしょうか。
さて、今日は「大胆かつ緻密な狭間野球〜中森、来田擁する明石商の魅力」というテーマで書きたいと思います。
好投手を輩出しているイメージがあり、西武の松本航投手も明石商出身です。
そんな明石商が特に注目されたのは、2019年です。
3年ぶり2度目の選抜出場を果たしたチームでしたが、快進撃を見せます。
国士舘(東京)に7−1、大分(大分)に13−4と勝ち進み、
ベスト8へと進出します。
準々決勝の相手は、昨年選抜準優勝校の智弁和歌山(和歌山)。
その強さとかっこよさは先日のブログの通りです。笑
この試合の主役は2年生の、来田涼斗選手です。
1番打者の来田は、初回に先頭打者ホームランを放ちます。
ところが、智弁和歌山も粘り強く攻撃し、
試合は3−3の同点で9回の攻防へと移ります。
9回表、1死1、2塁のピンチを2年生エース中森俊介がダブルプレーで切り抜けると、
その裏、先頭打者の来田が、今日二本目となる右中間へのサヨナラホームラン。
史上初となる、同一選手の先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を打ち、
まさに「来田に始まり来田に終わる」ゲームとなりました。
準決勝で優勝校の東邦(愛知)に敗れるものの、
公立高校の躍進は強烈なインパクトを残しました。
そして2019年夏、兵庫県予選決勝で9回に大逆転し勝利を飾り、
明石商は甲子園に再び登場します。
すでに来田と、2年生の151km右腕中森は全国区となっており、
大会前から注目校とされていました。
初戦の花咲徳栄(埼玉)を水上桂(3年、現楽天)の逆転2ランなどで、
4−3で勝利すると、
3回戦の宇部鴻城(山口)戦も1点を争う好ゲームとなります。
そして1点ビハインドで迎えた8回、事件が起きます。笑
1死3塁から7番清水良(3年)の打席、なんとエンドランで同点に追いつきます。
高校野球では滅多に見られない戦法で、相手の意表をつきました。
その後、9回にサヨナラスクイズで勝利し、ベスト8に進出します。
準々決勝の強豪八戸学院光星(青森)戦も終盤までもつれます。
序盤に打線が奮起し5点リードしますが、
徐々に差を詰められ、6回に同点に追いつかれます。
しかし7回、2死3塁のピンチでリリーフした中森が光星打線を抑え込み、
7−6で勝利し、春夏連続のベスト4という快挙を成し遂げました。
明石商は接戦の好ゲームが多く、魅力的な野球です。
そのチームを率いる狭間善徳監督です。
元々は明徳義塾中学の指導者として有名であり、
名将馬淵史郎監督とともに野球指導を行なっていました。
もちろん技術指導においても、高校球界トップクラスの指導者ですが、
特に注目されるのはそのデータ分析力です。
相手チームの投手、打者の特徴や傾向を徹底的に分析し、
対策を熟考したうえで試合に臨みます。
さらに、試合での大胆かつ繊細な戦術が非常に魅力的です。
ランナー3塁でのエンドラン、サヨナラスクイズなどの大胆な戦略、
1、3塁の重盗阻止などの緻密な連携プレー、
「勝負師」と呼ぶにふさわしい、新たな時代の名将です。
「狭間ガッツ」と呼ばれるガッツポーズもかっこいいです。笑
「高校野球で一番勝ちたいのは監督」という言葉があります。
必死な監督の姿、スター性のある注目選手、
明石商の野球は見ている人に野球の「おもしろさ」を教えてくれます。