Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

これが平成の怪物だ〜松坂大輔のかっこよさ

こんばんは、フサイチです。

昨日はお休みしました、すいません。

今日から新学期ですね。

初めての環境にチャレンジする方、

世の中はコロナの恐怖に戦々恐々としておりますが、

今しかできないことを探していきましょう。

 

さて、今日は平成の怪物、松坂大輔についてです。

高校野球といえば、この男でしょう。

記録にも、記憶にも残る伝説の投手です。

高校時代に焦点を当てて、お話していきます。

f:id:youkokurama:20200401221826j:plain

時事通信より転載


江戸川南シニアから横浜高校に進学した松坂大輔

小倉清一郎部長は、著書の『小倉ノート』で入学当時の松坂を

「球は速いがピッチャーとしては未熟」

と評価していました。

松坂の代の横浜には他に有望な投手がいなかったため、

首脳陣は松坂を必死に育てたが、

入学当初からスター選手というわけではありませんでした。

 

それでも横浜の猛練習を通し、徐々に頭角を現し始め、

高2の夏はエースとして神奈川県大会を戦いました。

しかし、準決勝の横浜商大戦に落とし穴。

下馬評では断然横浜有利のカードでした。

しかし横浜はなかなか相手を責めきれず迎えた同点の9回裏、

松坂は相手のスクイズを見抜きウエスト。

しかしその球が捕手の上に逸れ、サヨナラ暴投で敗退します。

この時の悔しさが、のちの「平成の怪物伝説」の序章でした。

 

3年春、「世代No.1投手」という評判をひっさげ、

松坂はセンバツ甲子園に出場します。

ちなみに当時の夢を「メジャーリーガー」と語っています。すごい。

最大の関門は準決勝のPL学園戦。

PLとの夏の死闘は有名ですが、実は選抜でも両校は死闘を演じています。

6回に2点を先制され迎えた8回、一死2、3塁のチャンスに

バッター松坂がサードゴロを打つも、PLのサードが本塁に悪送球。

横浜が同点とし、

さらに9回、加藤のスクイズで鮮やかに逆転勝ち。

松坂も粘りの投球を見せました。

決勝でも久保(元ロッテなど)擁する関大一を完封し、

見事、春の選抜を制します。

                                 (毎日新聞より転載)

 

勢いそのままに、松坂は夏も甲子園に戻ってきます。

当然の優勝候補、ダントツの最強投手として、

全国の高校が「打倒松坂」に燃えました。

2回戦で初戦をノーヒットノーランで勝利した、

杉内(元ダイエーなど)のいる鹿児島実業を6−0で破ります。

そして準々決勝、センバツで死闘を繰り広げたPL学園戦です。

小倉氏が「事実上の決勝戦」と語ったこの試合が、

センバツ以上の死闘となります。

 

PLの三塁コーチ平石(元楽天)から、

「行け行け!」「狙え狙え!」

と、球種を見抜いた掛け声により、PL打線は松坂を攻略します。

一方横浜も小倉氏のPL対策により、両者譲らず5−5のまま延長へ。

11回表、柴のタイムリーで横浜が勝ち越すも、

その裏、大西のタイムリーでPLが追いつき、延長は続きます。

松坂が200球を越えた16回、横浜は満塁から内野ゴロの間に1点を勝ち越す。

これで決着かと思った16回裏、一死3塁から本橋のショートゴロの間に、

三塁走者が本塁を陥れ再び同点。

松坂の「またか」という表情が印象的でした。

17回表、二死から柴がショート悪送球で出塁し、

常盤の2ランホームランで勝ち越し。勝負がつきます。

7回から登板したPLの投手は現役アナウンサーの上重聡でした。

松坂は250球を投げ抜く凄まじい試合でした。

f:id:youkokurama:20200401222122j:plain

サンスポより転載


準決勝の相手は明徳義塾高校

キャプテンでエースの寺本(元ロッテ)を中心とした、伝統の強豪校です。

前日に250球を投げた松坂はさすがに登板を回避、レフトで出場します。

そのせいか、横浜は8回まで0−6とリードを許しますが、

8回裏、寺本からリリーフした高橋(元ヤクルト)を責め、

4点を返します。9回表、追い上げムードをさらに盛り上げたのは、

松坂、まさかの登板でした。

前日に250球を投げたにもかかわらず、リリーフとして登板、

1イニングを無失点で切り抜けます。

当時の松坂登板の瞬間、球場の大歓声は地鳴りのようでした。

勢いそのままに、横浜は9回裏、無死満塁から後藤のタイムリーで同点、

さらに満塁としたところで、明徳義塾は寺本をマウンドに戻します。

その寺本から柴がサヨナラタイムリーを放ち、7−6でサヨナラ勝ちを収めます。

敗戦後、誰一人倒れたまま起き上がれない明徳義塾のメンバーを見て、

「こんな光景は見たことないし、二度と見ないだろう」

と思いました。

f:id:youkokurama:20200401222310j:plain

朝日新聞デジタルより転載


そして、決勝はさらっと(笑)、

京都成章相手にノーヒットノーランを達成します。

「平成の怪物」が完成した瞬間です。

 

松坂大輔はすべての高校球児の目標でした。

その圧倒的No. 1の投手が、強敵のライバル相手に、

何度も何度もピンチになり、ボロボロになりながら、

相手を倒していく。

マンガの世界の存在が現実になったような選手です。

あどけなさが残り、どこかいたずらっ子に見える

高校生らしさも、魅力的でした。

「平成の怪物」

怪物という称号は松坂のためにあったようなものですね!

f:id:youkokurama:20200401222435j:plain

https://images.app.goo.gl/Bbf878nKw9utYmw47