Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

高校野球が生んだ、史上最高投手〜“元祖怪物“の衝撃

こんばんは、フサイチです。

高校野球100年。高校野球は今まで数々のスターを生んできました。

松坂大輔田中将大ダルビッシュ有、吉田輝星、大谷翔平、、、

ものすごい記録を打ち立てた伝説の投手たちです。

 

でも、そんな名投手なんか、目じゃない。

次元が、まるで違う。

今日は、間違いなく高校野球史上最高の投手について書きます。

 

怪物。

 

作新学院江川卓

 

甲子園の猛者を相手にしてなお、圧倒的な力の差。

バットにボールが当たっただけで、大歓声。

160kmを超えていたとも言われる直球。

 

その成績を見ていきましょう。

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時事通信より転載


一年夏は、準決勝で敗れます。

しかし、準々決勝烏山戦で完全試合、パーフェクトを達成しています。

一年秋には、ノーヒットノーランも達成しています。

パーフェクトもノーヒットノーランも、

投手にとって最高の記録であり、滅多に達成されることはありません。

パーフェクトに関しては、夏の甲子園ではまだ誰も達成したことがありません。

それくらい、稀有な記録です。

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毎日新聞より転載

しかし、二年になった怪物、江川卓はこの記録を連発し始めます。

二年春の地区予選ではノーヒットノーラン2回。

夏の県予選では、準決勝で敗れますが、

ノーヒットノーラン2回、完全試合1回。27回無失点、47奪三振

「ホップするボール」は誰も打てません。

 

最高学年となった二年秋には、

怪物の周りには、完全に敵がいなくなります。

地区大会、関東大会の7試合53イニングを無失点94奪三振

最も打ち込まれた関東大会決勝の横浜戦は被安打4、16奪三振完封。

圧巻の投球で関東大会を制し、怪物は三年春に初めて甲子園に現れます。

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マガジン社より転載

甲子園デビュー戦は北陽相手に19奪三振4安打完封。

準々決勝、今治西戦では20奪三振1安打完封。

準決勝の広島商戦で8回2失点で敗れますが、

怪物の噂にたがわぬ、圧巻の投球を見せました。

大会60奪三振は、センバツでの最多奪三振記録となっている。

 

そして、怪物江川、最後の夏。作新学院は2回戦から登場します。

2回戦21奪三振ノーヒットノーラン

3回戦15奪三振ノーヒットノーラン

準々決勝、15奪三振1安打完封。

準決勝、8回1安打10奪三振無失点。

決勝、14奪三振ノーヒットノーラン

 

3度のノーヒットノーラン、打たれたヒットは2本。

 

まさに、怪物。

 

圧倒的な実力を示し、最後の夏の甲子園に乗り込みます。

1回戦の柳川商戦では延長15回を23奪三振1失点完投勝利。

2回戦の銚子商戦で、延長12回押し出し四球でのサヨナラ負け。

雨の中、サヨナラ負けの瞬間呆然とたたずむ江川。

「怪物江川、雨に散る」

は有名なフレーズです。

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サンスポより転載

甲子園通算6試合で、奪三振92。

 

大谷翔平の162kmよりも速かった」と呼ばれる快速球

パーフェクト2回、ノーヒットノーラン7回。

その他の試合も基本15奪三振以上、被安打2以内。

桑田、松坂を遥かに凌ぐ、圧倒的な成績。

それでも作新学院のチーム打率.204。

「怪物、江川」であっても、頂点の景色を見ることはできませんでした。