“縦スラ”を操る甲子園球児たち〜ドクターKの代名詞
こんばんは、フサイチです。
今日は「切れ味抜群、“縦スラ”を操る投手たち」
というテーマで書きます。
甲子園はスライダー投手が活躍する場です。
甲子園に出場し、右投手でスライダーを投げない投手はほぼいません。
「スライダーはフォークでコーヒーをすくって飲むようなもの」
という格言があるように、
横に滑るスライダーは昔から打者にとって打ちづらい球でした。
そして近年、打撃技術が飛躍的に向上したことで、
投手も様々な工夫を迫られています。
投手の投げる変化球は増え続けています。
その中で、垂直方向に落ちるスライダー、
“縦スラ”を操る高校生投手が増えてきました。
奪三振率の高い投手は、特にこの縦スラを愛用いています。
特に切れ味の鋭い縦スラを放る選手を紹介していきます。
1、山岡泰輔(瀬戸内)
甲子園に出場したのは2013夏、明徳義塾戦の1試合のみですが、
高校野球ファンには鮮烈な印象を残した選手です。
彼が活躍したのは強豪ひしめく3年夏の広島予選でした。
広島商を9回2死までノーヒットに抑え完封。
強豪を手玉に取る圧巻の投球で決勝に進みます。
決勝では田口麗斗(現巨人)擁する広島新庄が相手でした。
山岡と田口の歴史に残る投手戦となりました。
変態的な好投を見せます。
しかし、田口も力投。0−0の再試合となります。
再試合でも先発、ここでも山岡は5安打完封、1−0で勝利します。
「ダルビッシュも認めたスライダー」は健在でした。
2、吉田凌(東海大相模)
吉田が初めて全国から注目されたのは、二年夏でした。
地方大会決勝、縦スラを駆使し、向上相手に20奪三振を奪います。
そのうち14個が縦スラで奪った三振でした。
同学年の左腕、小笠原慎之介(現中日)とともに、
左右のダブルエースとして、2015年の全国制覇に貢献しました。
吉田は背番号11ながら3試合で先発を任され、
不調ながらも粘りの投球を見せました。
3、松井裕樹(桐光学園)
甲子園最多の、1試合22奪三振。
10連続奪三振。
歴代3位の甲子園68奪三振。
左腕特有の角度で、左打者の背中から垂直に落ちていくスライダーに、
打者のバットは空を切り続けました。
3年時にはチェンジアップも覚え、
右打者からの奪三振も増えましたが、甲子園には届きませんでした。
垂直に落ちる、かつフォークより減速の少ない魔球、縦スラ。
今後もスライダー全盛の時代が続きそうです。