Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

“縦スラ”を操る甲子園球児たち〜ドクターKの代名詞

こんばんは、フサイチです。

今日は「切れ味抜群、“縦スラ”を操る投手たち」

というテーマで書きます。

 

甲子園はスライダー投手が活躍する場です。

甲子園に出場し、右投手でスライダーを投げない投手はほぼいません。

「スライダーはフォークでコーヒーをすくって飲むようなもの」

という格言があるように、

横に滑るスライダーは昔から打者にとって打ちづらい球でした。

f:id:youkokurama:20200513234332j:plain

週刊ベースボールより転載


そして近年、打撃技術が飛躍的に向上したことで、

投手も様々な工夫を迫られています。

投手の投げる変化球は増え続けています。

その中で、垂直方向に落ちるスライダー、

“縦スラ”を操る高校生投手が増えてきました。

奪三振率の高い投手は、特にこの縦スラを愛用いています。

特に切れ味の鋭い縦スラを放る選手を紹介していきます。

 

1、山岡泰輔(瀬戸内)

甲子園に出場したのは2013夏、明徳義塾戦の1試合のみですが、

高校野球ファンには鮮烈な印象を残した選手です。

彼が活躍したのは強豪ひしめく3年夏の広島予選でした。

広島商を9回2死までノーヒットに抑え完封。

広陵には15奪三振を奪い完投勝利。

如水館には14奪三振完封。

強豪を手玉に取る圧巻の投球で決勝に進みます。

決勝では田口麗斗(現巨人)擁する広島新庄が相手でした。

山岡と田口の歴史に残る投手戦となりました。

山岡は延長15回を投げ、1安打15奪三振無失点と、

変態的な好投を見せます。

しかし、田口も力投。0−0の再試合となります。

再試合でも先発、ここでも山岡は5安打完封、1−0で勝利します。

ダルビッシュも認めたスライダー」は健在でした。


瀬戸内 山岡泰輔

 

2、吉田凌(東海大相模

吉田が初めて全国から注目されたのは、二年夏でした。

地方大会決勝、縦スラを駆使し、向上相手に20奪三振を奪います。

そのうち14個が縦スラで奪った三振でした。

 

同学年の左腕、小笠原慎之介(現中日)とともに、

左右のダブルエースとして、2015年の全国制覇に貢献しました。

吉田は背番号11ながら3試合で先発を任され、

不調ながらも粘りの投球を見せました。


東海大相模 吉田凌

 

3、松井裕樹桐光学園

左の縦スラ使いといえば、桐光学園松井裕樹です。

甲子園最多の、1試合22奪三振

10連続奪三振

歴代3位の甲子園68奪三振

左腕特有の角度で、左打者の背中から垂直に落ちていくスライダーに、

打者のバットは空を切り続けました。

3年時にはチェンジアップも覚え、

右打者からの奪三振も増えましたが、甲子園には届きませんでした。


桐光学園 松井裕樹 22奪三振 達成

 

垂直に落ちる、かつフォークより減速の少ない魔球、縦スラ。

今後もスライダー全盛の時代が続きそうです。