Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

甲子園史上最高のドクターK〜3分でわかる松井裕樹のかっこよさ

こんにちは、フサイチです。

ついに、緊急事態宣言が出されましたね。

誰もが体験したことのない社会へ、

突入していくんだなと実感しています。

個人的には、夏の甲子園を行えるのかどうか。

そこが一番の関心です。

無観客でもいいから、声出し無しでもいいから、マスク有りでいいから、

開催してほしいですね。

そうしないと、3年生があまりにかわいそう。

「この時代に生まれたせいで不完全燃焼」

なんて、残酷すぎる。

 

さて、今日はそんな高校野球において輝きを放った、

松井裕樹選手について書きます。

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バーチャル高校野球より転載

ピッチャーが一番かっこいいのは、

「三振を取る姿」です。

バッターの手の届く、ストライクコースに投げているのに、

バットにボールが当たらない。

バットを振ることができない。

ピッチャーがバッターを制圧する瞬間。

誰の力も借りず、最も安全にアウトが取れる方法です。

三振を多く取る投手は昔から「ドクターK」と呼ばれます。

打たせて取るピッチャーにも魅力あはります。

しかし、三振を取れるピッチャーは見ている人間を惹きつけます。

奪三振はピッチャーが一番かっこいい瞬間なんです。

 

2012年夏、甲子園に突如現れ、27個のアウトのうち22個を三振で奪った、

史上最高の「ドクターK」が、桐光学園2年生の松井裕樹投手でした。

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産経デジタルより転載

神奈川県は200以上の出場校の中から代表校が決定する激戦区です。

横浜、東海大相模桐蔭学園など、

全国レベルの名門校も多く、地区大会を勝ち残ることも容易ではありません。

桐光・松井も投手として名は知れていましたが、

それは神奈川の一投手としてであり、全国区ではありませんでした。

当時は、名将渡辺監督の元、横浜高校が優勝候補の一角でした。

その横浜高校を準々決勝で4−3で破り、

松井裕樹は2年生で初めての甲子園出場を果たしました。

 

初戦の相手は、今治西(愛媛)でした。

松井裕樹は伸びのあるストレートと切れ味抜群のスライダーで、

初回から三振の山を築きます。

2年生とは思えない、堂々としたマウンド捌き。

全身をフルに使い、目一杯腕を振り下ろす投球フォーム。

「噂には聞いていたが、まさかここまでとは・・・」

という周囲の目をよそに、

5回まで11奪三振ノーヒットノーランの快投を見せます。

そもそも5回まで15個しかアウトがないうちの11個が三振ですから、

すでに異常です。笑

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日刊スポーツより転載

6回に初ヒットを許しますが、圧巻はここからです。

そのイニングから8者連続三振を奪い、一気に大会記録の19奪三振に並びます。

今治西の選手も、決して打力のないチームではありません。

しかし、天井から落ちてくるようなスライダーに、

まともにバットを振らせてもらえません。

そして9回、先頭打者から三振を奪い、

9連続奪三振と同時に、大会記録を更新する20個目の奪三振を奪います。

甲子園がどよめく中、何事もなかったかのようにその後も三振を奪い、

7−0で桐光学園が勝利します。

終わってみれば積み重ねた奪三振は22。10者連続奪三振とともに、

大会の最多奪三振記録を更新しました。(9イニング)

「22奪三振の衝撃」として、今だに伝説として語り継がれる、

「史上最高のドクターK」の快投です。

 

続く二回戦の常総学院(茨城)戦でも19個の三振を奪い、

坂東英二徳島商)の持っていた2試合合計奪三振記録も塗り替えます。

次々と甲子園の奪三振記録が塗り替えられていくことに、

見ている私たちは興奮しました。

三回戦の浦添商(沖縄)でも12奪三振

敗れたものの準々決勝の光星学園(青森)戦でも15奪三振を記録します。

通算68奪三振は左腕甲子園最多奪三振となりました。

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Number webより転載

その後甲子園に姿を見せることはありませんでした。

しかし高校野球の歴史を、特に奪三振の歴史を塗り替えたことが、

彼の最大の功績であり、伝説の選手と呼んでいい数少ない選手です。

まさに「史上最高のドクターK松井裕樹楽天でも絶賛活躍中ですね!