甲子園史上最高のドクターK〜3分でわかる松井裕樹のかっこよさ
こんにちは、フサイチです。
ついに、緊急事態宣言が出されましたね。
誰もが体験したことのない社会へ、
突入していくんだなと実感しています。
個人的には、夏の甲子園を行えるのかどうか。
そこが一番の関心です。
無観客でもいいから、声出し無しでもいいから、マスク有りでいいから、
開催してほしいですね。
そうしないと、3年生があまりにかわいそう。
「この時代に生まれたせいで不完全燃焼」
なんて、残酷すぎる。
さて、今日はそんな高校野球において輝きを放った、
松井裕樹選手について書きます。
ピッチャーが一番かっこいいのは、
「三振を取る姿」です。
バッターの手の届く、ストライクコースに投げているのに、
バットにボールが当たらない。
バットを振ることができない。
ピッチャーがバッターを制圧する瞬間。
誰の力も借りず、最も安全にアウトが取れる方法です。
三振を多く取る投手は昔から「ドクターK」と呼ばれます。
打たせて取るピッチャーにも魅力あはります。
しかし、三振を取れるピッチャーは見ている人間を惹きつけます。
奪三振はピッチャーが一番かっこいい瞬間なんです。
2012年夏、甲子園に突如現れ、27個のアウトのうち22個を三振で奪った、
史上最高の「ドクターK」が、桐光学園2年生の松井裕樹投手でした。
神奈川県は200以上の出場校の中から代表校が決定する激戦区です。
全国レベルの名門校も多く、地区大会を勝ち残ることも容易ではありません。
桐光・松井も投手として名は知れていましたが、
それは神奈川の一投手としてであり、全国区ではありませんでした。
当時は、名将渡辺監督の元、横浜高校が優勝候補の一角でした。
その横浜高校を準々決勝で4−3で破り、
松井裕樹は2年生で初めての甲子園出場を果たしました。
初戦の相手は、今治西(愛媛)でした。
松井裕樹は伸びのあるストレートと切れ味抜群のスライダーで、
初回から三振の山を築きます。
2年生とは思えない、堂々としたマウンド捌き。
全身をフルに使い、目一杯腕を振り下ろす投球フォーム。
「噂には聞いていたが、まさかここまでとは・・・」
という周囲の目をよそに、
そもそも5回まで15個しかアウトがないうちの11個が三振ですから、
すでに異常です。笑
6回に初ヒットを許しますが、圧巻はここからです。
そのイニングから8者連続三振を奪い、一気に大会記録の19奪三振に並びます。
今治西の選手も、決して打力のないチームではありません。
しかし、天井から落ちてくるようなスライダーに、
まともにバットを振らせてもらえません。
そして9回、先頭打者から三振を奪い、
9連続奪三振と同時に、大会記録を更新する20個目の奪三振を奪います。
甲子園がどよめく中、何事もなかったかのようにその後も三振を奪い、
7−0で桐光学園が勝利します。
終わってみれば積み重ねた奪三振は22。10者連続奪三振とともに、
大会の最多奪三振記録を更新しました。(9イニング)
「22奪三振の衝撃」として、今だに伝説として語り継がれる、
「史上最高のドクターK」の快投です。
続く二回戦の常総学院(茨城)戦でも19個の三振を奪い、
坂東英二(徳島商)の持っていた2試合合計奪三振記録も塗り替えます。
次々と甲子園の奪三振記録が塗り替えられていくことに、
見ている私たちは興奮しました。
敗れたものの準々決勝の光星学園(青森)戦でも15奪三振を記録します。
その後甲子園に姿を見せることはありませんでした。
しかし高校野球の歴史を、特に奪三振の歴史を塗り替えたことが、
彼の最大の功績であり、伝説の選手と呼んでいい数少ない選手です。