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29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

コロナは子どもの人間関係をどう変えるか〜ネット空間のコミュニケーション

こんにちは、フサイチです。

東京は外出自粛が原則となり、どこも休日の割に人がいませんね。

ちなみに少し東京を出て、実家がある相模原のショッピングモールを見ると、

いつも通りの人だかりでした。笑

相模原も協同病院で感染者出てますが、焦りません。

そこが相模原のいいところ!笑

 

さて、今日は「コロナは子どもの人間関係をどう変えるか」

というテーマで書きたいと思います。

 

2月2日より、戦後初となる一斉休校が始まりました。

卒業式や修了式など特別な学校行事を除き、小中高の学校に通う子どもたちは、

自宅待機が原則になっているかと思います。

当初、子どもを持つ家庭から

「仕事を休まなければいけない」

「誰が面倒を見るのか」

といった否定的な論調が多かったですが、今はそれも落ち着いてきました。

(子どもを持つ家庭の問題が解決したわけではないですが、、)

 

また、休校中の子どもの学習機会への問題も議論されました。

「休校中の授業の遅れはどうするのか」

「家でいつも勉強しないのにどうするの」

しかしそれも、教育分野の各民間企業が

オンライン授業や、ウェブ講座の無料公開など、

一斉休校決定直後から動き出し、学習体制はある程度整っているかと思います。

(もちろん家庭によるウェブ環境への対応の差や、

公立学校の導入の遅れなど、問題は多々ありますが、、、)

 

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しかし、ここまであまり取り上げられてこなかったのが、

子どもの人間関係をめぐる問題です。

 

私は大学、大学院を通し、

若者の人間関係とネットいじめの論文を書いてきました。

 

2012年の大津いじめ自殺事件が社会問題になって以降も、

いじめ自殺事件は起こっているものの、

当時ほどのインパクトで世間に出ることはなく、

あたかも私たちは、

「最近いじめって聞かないよね」

みたいな印象を持ってしまいます。

 

しかし、携帯電話やスマートフォンの普及とともに、

子どものいじめや人間関係が複雑化、多層化、潜在化ていきます。

要は彼らにしか見えないところで、

つながりができていたり、なくなっていたりするんです。

いじめ問題も、日常生活SNSを絡めたものが多くなり、

全容を把握することが難しくなっている印象です。

 

話がそれましたが、本題です。

この一斉休校を受け、子どもたちは家にいることとなります。

すると当然、対面式のコミュニケーションより、

ネットを介したコミュニケーションが多くなります。

 

ネットコミュニケションが増えることで、

子どもの人間関係に与える影響は次の二つです。

 

1、疑心暗鬼化

ネットコミュニケーションの先行研究は多くありますが、

共通して言われているのが、

「ネットの言葉は温度を持たない(冷たい)」

ということです。

 

たとえば、

 

「まじうける」

 

と書いてあっても、

 

「本当に面白がってる?それとも実はつまらなかった?」

「既読ついてから返信まで遅かったしな、絵文字ついてないし」

 

など、言葉の奥の情報に頼ろうとします。

これは、ネットに書かれる言葉の温度がないことから、

言葉だけでは情報が不足するためです。

 

そのため、相手の気持ちを想像しながらコミュニケーションを取るものの、

「本心とは限らない」という疑問を、

どこかで持ちながらのコミュニケーションになります。

一方で、ネットのコミュニティーは多層的であり、

ネットの中では一人の人間が複数の顔を持つことができます。

「LINEではいい子なのに、Twitterではめっちゃ愚痴書いてる」

など、いつどこで、自分が見ていないところで、

何を言われているかはわかりません。

ネットの性質上、

「今話している相手を信用しきれない」

という友人関係の「疑心暗鬼化」が起こるものと思われます。

 

2、潜在化と顕在化

ネットコミュニケーションにより、

大人など外部の人間からは子どもたちの関係が見えづらくなります。

一方で、本人たち同士の人間関係はより鮮明なものになります。

それは文字が残るからです。

言ったことが文字として残り、削除しない限り永久に見られる。

「まじうざい」

と、言葉で言うのとツイートするのとでは、

自分の思いも周りの人間からの印象も全く違ったものとなります。

 

おそらく、いま子どもたちの人間関係がこのようになっていると思います。

そのため、修了式や卒業式で久しぶりに会うと、

なかなか帰りません。笑

対面コミュニケーションの安心感に浸っているんでしょう。

こういう子どもの人間関係への私たちのアプローチって、

どうすればいいんでしょうね。笑

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