高校野球の常識〜どうでもいい「サイン盗み」問題
こんばんは、フサイチです。
東京でコロナウイルスが爆増していますね。
オリンピックが関係しているんでしょうか。
政治は我々に見えない部分が多くて、想像しても分からないですよね。笑
見えない部分は高校野球にも多くあります。
高校野球の中では常識と捉えられていることが、
社会の中で、非常識としてたびたび取り上げられます。
今更ですが今日はその一つ、サイン盗みについて、書きたいと思います。
- サイン盗みとは
2019年春の選抜大会、星稜(石川)対習志野(千葉)の試合で、
サイン盗みが話題になりました。
習志野の2塁ランナーがサインを盗んでいるという星稜による抗議で、
試合が2、3度中断します。
その場は不正とは認められず、試合はそのまま進み星稜が敗れました。
試合後、星稜の林監督が習志野の監督のもとに直接抗議しに行き、
その後も話題になった事件です。
その他2013年に花巻東高校なども注意を受けており、
高校野球の中で、「サイン盗み」はたびたび議論になります。
高野連では1998年より、サイン盗みを禁止しています。
大会規則9条に、
走者やベースコーチなどが、捕手のサインを見て打者にコースや球種を伝える行為を禁止する。もしこのような疑いがあるとき審判委員はタイムをかけ、当該選手と攻撃側ベンチに注意をし、止めさせる。
と定められています。
- 「サイン盗み」の実体験
私は縁があり、甲子園優勝経験のある高校で野球をやらせてもらえました。
うちの高校では、「サイン盗み」を指示されたことはありませんでした。
しかし、「サイン盗み対策」はいくつか準備してありました。
まず、サイン自体を複雑にすること。
たとえば「四本」と呼ばれるものです。
捕手が手でいろんな数をパッパと出している中で、
「チョキ、パーの次に出した数が球種、その次に出した数がコース」
というようにすることで、解読されないようにします。
また、イニングでサインを変えるということもしていました。
1〜3回、4〜6回、7〜9回で捕手が出すサインを変えるというものです。
「これは、万が一相手にサインを見破られているときに使うんだ」
と先輩に教わりました。
2塁牽制のサインも同様に変わることがあると教わりました。
しかし、実際に試合中にサインが変わったことはありません。
もちろん明らかに球種を絞られていると思うシーンは何度もありましたが、
それはサインというより、守備位置や配球で打たれていると思っていたし、
それで結果が変わっているとは思えません。
つまり、サインが盗まれていると感じたことはありません。
その後、高校野球の監督になると少し考え方が変わりました。
実際に多くの強豪校で、
二塁ランナーやコーチャーからのサイン盗みが行われていました。
リードの仕方などの細かい部分であり、
審判に言っても不正と断定されない方法でです。
- 「サイン盗み」=「マナー違反」という常識
では、なぜサイン盗みが禁止なのか。
それは先ほどの条文が、
「マナー向上」の指導要綱の中で述べられたという点に注目すると、
「サイン盗みがマナー違反だから」
と読み取ることができます。
つまり、サインを盗まないことが高校球児としてのあるべき姿だからということ。
これって、ルールの意味を説明したことになるんでしょうか。
「それが、高校野球の常識だからダメ」
と言っているのと同じですよね。
意味を説明できないルールだから、曖昧であり不正かどうか断定できないし、
意味を説明できないルールだから、
常識は時代とともに変わります。
高校野球も時代とともに変わっていかなければいけません。
素晴らしいところは残しながら、高校野球の新たな楽しみ方を
模索していく必要があると思います。
- 「サイン盗み」なんかどうでもいい
私は、サイン盗みは戦略だと思っています。
もっと言うと、サイン盗みというより「サインの解読」と捉えています。
だから、捕手が相手監督のサインを見てウエストしたり、
打者が相手のシフトを見て、配給を読んだりする行為と同じように、
野球の醍醐味である駆け引きとして、
見ていて楽しめる要素になれると考えています。
吉田輝星のストレートは来ると分かっていても打てない。
智弁和歌山の打線は、球種が読まれなくても止められない。
強いチームにとって、サイン盗みなんか大した問題ではないんです。
勝てるかどうかは、サインではなく練習で決まる。