Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

一斉休校が加速させる教育格差

こんばんは、フサイチです。

今日は職員室の荷物整理など、

なにかと肉体労働でした。

重たいものたくさん持ったので、明日は筋肉痛かな。笑

 

さて、今日は「一斉休校が加速させる教育格差」というテーマです。

戦後初の一斉休校からもうすぐ一ヶ月になります。

一斉休校が始まった瞬間から、

民間の教育機関による、映像授業やビデオ授業が始まりました。

海外では、専門学校でも

夏休みまではすべてオンラインで授業を行う学校が多くあります。

 

休校中、こういった工夫により学習機会が設けられることは、

大変有意義なことです。

しかし一方で、ここには重大な問題が隠れていることを見落としてはいけません。

それは、「教育の機会均等」の問題です。

映像授業による家庭学習は、

テレワークと同様に自宅にいながら授業を受けることができます。

移動の必要がないため、大変効率の良い学習方法です。

 

しかし、映像を視聴できる環境は、平等に用意されているでしょうか。

「そもそもパソコンがない」

「小学校が休みで家にいる弟がうるさい」

「両親が仕事で出かけており、家に一人きり」

など、学習環境を阻害する要因は、家庭には多くあります。

 

もちろん、今回の公立高校のように、

宿題を出して、あとは1ヶ月以上ほったらかしというのも、

問題はあると思います。

しかし、一斉休校による授業の映像化やオンライン化は、

教育の機会均等という点では、大きな問題があると思います。

ま、だから公立高校ではやらないんですけどね。笑

 

そして、もう一つ。

仮にこの一斉休校がこの先数ヶ月解除されない場合、

教育の機会均等が損なわれた状態が長く続きですので、

教育格差が生まれます。

たとえば、

「共働きでも塾には行かせるお金がない家庭」

と、

「父親が会社勤めで母親は専業主婦で、子を塾に通わせている家庭」

学校が通常授業の場合、両家庭の生徒は少なくとも学校では、

同じ教育を受けることとなります。

しかし一斉休校により、家庭の収入や生活水準の差が、

まるでスポットライトを当てたかのように明るみになっていくのです。

当然、前者の家庭は子どもは一斉休校中の学習は望めません。

後者の家庭では母親の管理のもと、一定水準の学習は行うでしょう。

結果、家庭の収入が子どもの学力に直結してしまう。

 

通常通り学校に通っていても、このような傾向は多少は見られます。

しかし一斉休校により、この格差がさらに顕著になると思われます。

遠隔での授業は便利ですが、

デメリットも把握しながら進めていく必要があると思います。

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