Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

野球の指導者はもういらない?

こんばんは、フサイチです。

 

一斉休校中ですので、部活がありません。

野球のない土日は、変に暇です。

 

こんな日は、YouTubeで野球の勉強をしようと思い、

「投手」「バッティング」など、検索してみます。

すると、野球関係のユーチューバーの動画が多くヒットします。

「打率の上げ方」「肩の故障の防ぎ方」などを解説した動画です。

その動画を見てみると、どれもものすごく参考になるものばかりです。

「それは知らなかった」

「なるほど、そういう考え方があるのか」

と思うものばかりで、本当に驚かされます。

 

彼らは、子どもに教える専門家ではありません。

(中には専門の方もいらっしゃいますが)

ですが、私たちの知らない、技術についての知識を知っており、

それをわかりやすく解説しています。

それを見ながら、

「野球の指導者はもういらないんじゃないか」と思いました。

この動画を見せれば、選手には伝わるわけです。

今日はこのことについて、少し考えてみます。

 

私たち高校野球の指導者は経験がモノを言います。

指導を重ねると、

「こう教えれば、選手はこう成長する」

というのが、見えてくるとよく言われます。

 

「10000本振るごとに、打率が1厘上がる」

「毎日50本ポール間ダッシュをやれば、一冬で球速は10キロ上がる」

ベテラン指導者のこのような今までの経験に沿った指導を信じて、

選手たちはついていきます。

 

しかし、このようなベテラン指導者の経験に沿った指導力

現代においては相対的に低下しているように思えてなりません。

 

「なぜその本数で球速が上がるか、根拠がわからない」

YouTubeの動画の方が説明がわかりやすくて、信用できそうだ」

 

経験から練習を課す指導者の指導よりも、

根拠と盤石な説明によるユーチューバの方が、

子どもたちにとっては信頼できるんです。

 

野球の専門家である指導者の経験や知識が、

相対的に平凡になりつつある、

そう思います。

 

では、高校野球の指導者はもういらないのか。

やはりそうではないと思います。

 

先ほども述べたように、

「こう教えれば、こう育つ」

という経験の積み重ねは、私たち指導者の貴重な財産です。

その経験則があるからこそ、選手も安心して野球ができる部分もある。

 

今の情報が溢れている社会は、

我々指導者の学びの場が溢れているということでもあります。

今まで経験に頼って教えてきたことに、

彼らのような根拠や分かりやすい説明を組み合わせて教えていく。

私たち指導者も、日々アップデートされていかなければならないと痛感します。

 

研究が進み、新しい知識や戦略が増えていきます。

指導者の学び続ける姿勢が、高校野球の発展につながるので、

私も学び続けます。

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