Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

信じられない、史上初の結末〜2018夏、星稜vs済美

こんばんは、フサイチです。

今日は、「信じられない、史上初の結末〜2018夏、星稜vs済美

を書きたいと思います。

タイブレークが甲子園に導入された最初の年、

シーソーゲームの結末は、信じられないものでした。

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ベースボールキングより転載

1、星稜やや有利の下馬評

星稜高校は、この第100回大会が19回目の甲子園です。

かつて箕島との激闘、松井秀喜の5打席連続敬遠など、

歴史の中で、数々の名勝負を繰り広げた星稜高校

この夏は2年生バッテリー奥川、山瀬を擁し、全国制覇を狙います。

若いチームでありながら、総合力の高いチームです

 

一方の済美高校は、鵜久森を擁しセンバツ初出場初優勝を飾ってから、

安楽を擁した2013年など、スター選手を輩出し好成績を収めることが多いです。

この夏はエースの山口が中心となり、

総力戦で勝ち進んでいます。

 

試合前の予想では、奥川擁する星稜がやや有利の下馬評が多い印象でした。

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はてなブログより転載

2、やはり、、

試合はプレイボール直後から、星稜ペースとなります。

1回表にキャプテン竹谷のタイムリーなど、5安打を集中させ、

5点を先制します。

さらに3回にはパスボール、5回にはショートの悪送球で追加点を奪います。

済美としては守備の綻びもあり、やや浮き足立っていました。

 

済美も3回に中井のタイムリーで1点を返すも、

7−1とワンサイドゲームになりました。

星稜は奥川が足をつり、4回でマウンドを降りるも、

後続の投手も上々のピッチング。

7−1のまま8回を迎えます。

 

3、しかし、、

迎えた8回裏、済美は星稜の4番手竹谷を攻めます。

中井、池内のタイムリーで、7−3とします。

さらに、竹谷投手は山口に対し押し出し死球

7−4となり、なお一死満塁。

ここで星稜は5番手に一年生の寺西を起用します。

対して済美は二死後、武田が一、二塁間に強打、

セカンドが止めて一塁に送球するも判定はセーフ。

その間に二人のランナーが生還し7−6、一点差に迫ります。

さらに二死一二塁でのチャンスで、9番政吉がレフトスタンドに、

逆転スリーランホームラン。

済美がこの回なんと8点を奪い、9−7と大逆転します。

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毎日新聞より転載


しかし星稜は諦めません。

9回表、竹谷のタイムリーで一点差。

さらに二死から鯰田の打球はレフト前のタイムリポテンヒットとなり、

9−9の同点に追いつきます。

両者一歩もひかないゲームは延長へと入ります。

 

最大の勝負所は延長12回裏、済美の攻撃でした。

芦谷がライトにツーベースヒットを放つと、次打者を星稜6番手寺沢が敬遠、

済美送りバントの後、さらに敬遠を挟み、

一死満塁のピンチを迎えます。

済美は代打徳永を起用します。

寺沢は制球に苦しみ、カウント1−3となります。

もうボールが投げられない状況で、しかしここから2球連続ストライク、

見逃し三振を奪います。

さらに二死満塁から打者武田に対し、またもカウント1−3となります。

ここでも、ボールならサヨナラの場面を迎えます。

しかし、またしても2球連続ストライク。

絶体絶命のピンチを二者連続三振で切り抜けます。

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毎日新聞より転載


そして、試合はタイブレークへ。

 

無視一二塁からのタイブレーク

先攻の星稜はスクイズなどで、2点を奪います。

 

そして、塁上の走者を全て返さないと負けとなる済美は、

政吉のバントが内野安打となり、無視満塁とします。

そして、打者は1番の矢野を迎えます。

 

矢野は6球目を強振すると、打球はライトポール付近への大飛球。

誰もが固唾を飲んで打球の行方を追います。

打球はそのままポールを直撃。

逆転サヨナラ満塁ホームランとなり、13−11。

愛媛の済美が信じられない、劇的な結末で3回戦へ駒を進めました。

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集英社より転載


逆転に次ぐ逆転のシーソーゲーム、

逆転サヨナラ満塁ホームランは史上初です。

最後にこんな結末が待っていたなんて、誰も想像できませんでした。