Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

史上最も熱い夏、最終章〜2018夏決勝、大阪桐蔭vs金足農業

こんばんは、フサイチです。

東京都の高野連が、1週間遅れでの夏の開会の開催を決定しましたね!

その他の地方予選も、この流れに続くことでしょう。

東京都高野連の英断だと思います。

高校野球が、全力で戦い、諦めないことで、

日本全国に感動と興奮を届けられると信じています。

高校野球が、不安のどん底から、日本を救い出す力を届けます。

 

顧問として、短い期間しかありませんが選手たちが

一生懸命戦える準備を、精一杯していきます!

 

今日は「史上最高の夏の終わり〜2018夏決勝、大阪桐蔭vs金足農業

というテーマで書きたいと思います。

第100回にして、最高に熱い夏だった2018年夏の甲子園

全国4112校、どのチームもこの100回という節目の大会で、

強い思いを持って頂点を目指しました。

その権利を持つのは、この2校のみ。

2度目の春夏連覇か、東北勢初の悲願か。

どちらが勝っても史上初。

新たな歴史を作るのは、どちらでしょうか。

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文集オンラインより転載

1、史上最強チームか、金農旋風か

大阪桐蔭は史上最強チームとの呼び声高いチームでした。

昨夏の仙台育英戦の、ベース踏み外しからの逆転サヨナラ負けから、

甲子園では負けなしです。

メンバーを見ても、ほぼ高校オールスターチームです。

エース柿木蓮、ショート根尾昂、センター藤原恭大を中心に、

キャプテンで3番の中川、出塁率の高い宮崎、青地の1、2番コンビ。

全国から目標とされていたチーム、隙のない戦いでここまで勝ち進みました。

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スポーツブルより転載

一方、「金農旋風」とよばれ、ここまで快進撃を続けた秋田・金足農業

長い100回の歴史の中で、東北勢の優勝はありません。

エース吉田輝星は、豪快かつクレバー。

気迫の投球で「金農旋風」の中心となり、チームの奇跡を引き寄せてきました。

横浜戦での高橋の逆転スリーラン、

近江戦での齋藤の逆転サヨナラツーランスクイズ

日大三戦での相手の怒涛の追撃を退けた吉田の熱投。

地元の期待を一身に背負い、初の日本一を狙います。

 

2、試合開始

第100回の夏、両校整列ではいつも以上の拍手歓声が上がりました。

三沢・太田幸司松山商・井上明両氏のレジェンド始球式が終わり、

金足農業がこの決勝まで来たことに報いるような、

大きな拍手喝采の中、試合が始まります。

大阪桐蔭にとっては、地元ながらアウェーの雰囲気があったかと思います。

大阪桐蔭の先発は柿木、金足農業はもちろん吉田輝星、

両投手昨日からの連投となりました。

 

柿木は初回を3者凡退に抑え、上々の立ち上がりを見せます。

1回裏、吉田輝星は仕切りに足場を気にしたり、肩を動かしたりしています。

いずれも、投手が疲労で体が動かない時の動作です。

ステップ幅がいつもより狭く、肩周りも硬くなっているんでしょう。

ここまで甲子園で749球、

2019夏の奥川(星稜)が512球だったのを考えても、

過酷な状況でした。

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毎日新聞より転載


1番宮崎が四球、2番青地のライト前ヒットで無死一三塁のピンチを迎えます。

そして、大阪桐蔭の強力クリンアップを迎えます。

しかし吉田輝星、この大会何度も見たように、ピンチでギアを上げます。

3番中川を高めのストレートで三振、

4番藤原には膝下スライダーで三振を奪います。

 

スタンドは大歓声、これが吉田輝星です。

 

しかし、5番根尾を四球で歩かせ、6番石川の場面でワイルドピッチ、

先制点を奪われます。

さらに石川にツーベースを打たれ、3−0となります。

 

3、力投、しかし、、

1点を追う金足農業は3回、斎藤が四球で出塁すると、

菅原の犠打、ワイルドピッチで一死三塁とします。

ここで2番佐々木が犠牲フライ、1点を返します。

金足農業としては決勝での初得点、球場中が大歓声です。

 

しかし、吉田輝星には大阪桐蔭に立ち向かう力は残っていませんでした。

3−1の4回裏、大阪桐蔭金足農業の失策からチャンスを作ると、

1番宮崎がレフトへスリーランホームラン。

6−1と突き放します。

さらに5回裏、根尾のツーランホームランを皮切りに、

大阪桐蔭は4連打を含む7安打をこの回に集中、6点を追加します。

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Baseball Gateより転載


どんなピンチにも動じなかった吉田輝星も、

思い通りにボールがいかず、苦しい投球になります。

レフト前ヒットで2塁まで進塁され、

送りバントフィルダースチョイスとなりオールセーフ。

目を覆いたくなるような厳しい展開に、金足農業側からは悲鳴があがります。

それでも必死に投げる吉田輝星に対し、

この夏の感動のお返しと言わんばかりに、

吉田コールが巻き起こります。

一番辛いはずの吉田輝星も、工藤の伝令には笑顔を見せます。

 

結局吉田は5回132球、12失点でマウンドを降ります。

点差は離れ、大阪桐蔭の圧倒的な力を見せつけられても、

金足農業は一生懸命、決して諦めません。

金足農業は7回に1点を返します。

しかし、反撃もここまで。

 

4、感動の決勝

13−2で大阪桐蔭が柿木の完投で、

史上初の2度目の春夏連覇を果たしました。

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JBプレスより転載

吉田輝星の目には涙も、

この夏全国に感動を届け続けた吉田に、

観客からは惜しみない称賛の拍手が鳴り止みませんでした。

勝戦、5回の苦しい投球の中でも、歯を食いしばり投げ続けた吉田輝星。

この夏の1517球は、「金農旋風」とともに人々の心に深く刻まれました。

一方大阪桐蔭、最強チームの重圧、決勝のアウェイを跳ね除け、

堂々の春夏連覇。間違いなく100年の歴史の中で、

史上最高のチームだと思います。

素晴らしい決勝戦でした!

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毎日新聞より転載