史上最も熱い夏、最終章〜2018夏決勝、大阪桐蔭vs金足農業
こんばんは、フサイチです。
東京都の高野連が、1週間遅れでの夏の開会の開催を決定しましたね!
その他の地方予選も、この流れに続くことでしょう。
東京都高野連の英断だと思います。
高校野球が、全力で戦い、諦めないことで、
日本全国に感動と興奮を届けられると信じています。
顧問として、短い期間しかありませんが選手たちが
一生懸命戦える準備を、精一杯していきます!
今日は「史上最高の夏の終わり〜2018夏決勝、大阪桐蔭vs金足農業」
というテーマで書きたいと思います。
第100回にして、最高に熱い夏だった2018年夏の甲子園。
全国4112校、どのチームもこの100回という節目の大会で、
強い思いを持って頂点を目指しました。
その権利を持つのは、この2校のみ。
2度目の春夏連覇か、東北勢初の悲願か。
どちらが勝っても史上初。
新たな歴史を作るのは、どちらでしょうか。
1、史上最強チームか、金農旋風か
大阪桐蔭は史上最強チームとの呼び声高いチームでした。
昨夏の仙台育英戦の、ベース踏み外しからの逆転サヨナラ負けから、
甲子園では負けなしです。
メンバーを見ても、ほぼ高校オールスターチームです。
エース柿木蓮、ショート根尾昂、センター藤原恭大を中心に、
キャプテンで3番の中川、出塁率の高い宮崎、青地の1、2番コンビ。
全国から目標とされていたチーム、隙のない戦いでここまで勝ち進みました。
一方、「金農旋風」とよばれ、ここまで快進撃を続けた秋田・金足農業。
長い100回の歴史の中で、東北勢の優勝はありません。
エース吉田輝星は、豪快かつクレバー。
気迫の投球で「金農旋風」の中心となり、チームの奇跡を引き寄せてきました。
横浜戦での高橋の逆転スリーラン、
近江戦での齋藤の逆転サヨナラツーランスクイズ、
日大三戦での相手の怒涛の追撃を退けた吉田の熱投。
地元の期待を一身に背負い、初の日本一を狙います。
2、試合開始
第100回の夏、両校整列ではいつも以上の拍手歓声が上がりました。
三沢・太田幸司、松山商・井上明両氏のレジェンド始球式が終わり、
金足農業がこの決勝まで来たことに報いるような、
大きな拍手喝采の中、試合が始まります。
大阪桐蔭にとっては、地元ながらアウェーの雰囲気があったかと思います。
両投手昨日からの連投となりました。
柿木は初回を3者凡退に抑え、上々の立ち上がりを見せます。
1回裏、吉田輝星は仕切りに足場を気にしたり、肩を動かしたりしています。
いずれも、投手が疲労で体が動かない時の動作です。
ステップ幅がいつもより狭く、肩周りも硬くなっているんでしょう。
ここまで甲子園で749球、
2019夏の奥川(星稜)が512球だったのを考えても、
過酷な状況でした。
1番宮崎が四球、2番青地のライト前ヒットで無死一三塁のピンチを迎えます。
そして、大阪桐蔭の強力クリンアップを迎えます。
しかし吉田輝星、この大会何度も見たように、ピンチでギアを上げます。
3番中川を高めのストレートで三振、
4番藤原には膝下スライダーで三振を奪います。
スタンドは大歓声、これが吉田輝星です。
しかし、5番根尾を四球で歩かせ、6番石川の場面でワイルドピッチ、
先制点を奪われます。
さらに石川にツーベースを打たれ、3−0となります。
3、力投、しかし、、
1点を追う金足農業は3回、斎藤が四球で出塁すると、
菅原の犠打、ワイルドピッチで一死三塁とします。
ここで2番佐々木が犠牲フライ、1点を返します。
金足農業としては決勝での初得点、球場中が大歓声です。
しかし、吉田輝星には大阪桐蔭に立ち向かう力は残っていませんでした。
3−1の4回裏、大阪桐蔭は金足農業の失策からチャンスを作ると、
1番宮崎がレフトへスリーランホームラン。
6−1と突き放します。
さらに5回裏、根尾のツーランホームランを皮切りに、
大阪桐蔭は4連打を含む7安打をこの回に集中、6点を追加します。
どんなピンチにも動じなかった吉田輝星も、
思い通りにボールがいかず、苦しい投球になります。
レフト前ヒットで2塁まで進塁され、
送りバントでフィルダースチョイスとなりオールセーフ。
目を覆いたくなるような厳しい展開に、金足農業側からは悲鳴があがります。
それでも必死に投げる吉田輝星に対し、
この夏の感動のお返しと言わんばかりに、
吉田コールが巻き起こります。
一番辛いはずの吉田輝星も、工藤の伝令には笑顔を見せます。
結局吉田は5回132球、12失点でマウンドを降ります。
点差は離れ、大阪桐蔭の圧倒的な力を見せつけられても、
金足農業は一生懸命、決して諦めません。
金足農業は7回に1点を返します。
しかし、反撃もここまで。
4、感動の決勝
13−2で大阪桐蔭が柿木の完投で、
史上初の2度目の春夏連覇を果たしました。
吉田輝星の目には涙も、
この夏全国に感動を届け続けた吉田に、
観客からは惜しみない称賛の拍手が鳴り止みませんでした。
決勝戦、5回の苦しい投球の中でも、歯を食いしばり投げ続けた吉田輝星。
この夏の1517球は、「金農旋風」とともに人々の心に深く刻まれました。
一方大阪桐蔭、最強チームの重圧、決勝のアウェイを跳ね除け、
堂々の春夏連覇。間違いなく100年の歴史の中で、
史上最高のチームだと思います。
素晴らしい決勝戦でした!