奥川の512球と初優勝への意地〜2019夏決勝、履正社vs星稜
こんばんは、フサイチです。
今日は、「2019夏決勝、履正社vs星稜」を書きます。
令和初の夏の甲子園、決勝は優勝候補同士、
元号をまたいだ因縁の対決になりました。
1、どっちが勝っても初優勝
高岡商(富山)に9−4、関東一(東東京)に7−3、
明石商(兵庫)に7−1と、
1番桃谷、4番井上を中心に破壊量抜群の打線で勝ち進んできました。
強化してきた打線が存分に実力を発揮します。
「すべては奥川を打つために」
最高の舞台で、最高の相手との対戦です。
一方星稜は、初戦の旭川大高(北北海道)に1−0、
仙台育英(宮城)に17−1、中京学院大中京(岐阜)に9−0と、
大会序盤こそ苦しんだものの、準々決勝、準決勝と大勝しています。
奥川は今大会、ここまで防御率0.00の快投。
世代ナンバーワン投手の実力を見せつけた投球です。
山瀬との黄金バッテリーで、松井秀喜でも成し遂げられなかった、
初の全国制覇に挑みます。
2、奥川の疲れ
履正社の1番桃谷が、プレイボールの初球を打ち、試合が始まります。
1回、2回と履正社がチャンスを作るも、無得点。
2年生4番内山がヒットで出ると、
7番岡田のタイムリーツーベースで先制します。
伝統校初の悲願へ、星稜が一歩近づきます。
しかし、今日の奥川はいつもとは様子が違いました。
激闘を乗り越えてきた疲れからか、
球威もコントロールも今ひとつです。
直後の3回、履正社は二死から2番池田、3番小深田の二年生コンビが
四球を選び、二死一二塁のチャンスをつくります。
ここで、履正社は4番の井上広大を迎えます。
3、1球
勝負は1球でした。初球のスライダーが高めに浮いた球を、
井上は見逃しませんでした。
とらえた打球は左中間スタンドへ。
スリーランホームランとなり、3−1。履正社が逆転します。
その後は両投手ランナーを出すも、粘りのピッチング。
履正社5回の井上の打席では、今度は奥川が三振を奪い、リベンジします。
履正社は7回、再び二死一二塁のチャンスを作ると、
バッターに三度井上を迎えます。
しかし、奥側がまたもスライダーで三振を奪います。
この奥川の粘りが、再び試合を動かします。
4、星稜の粘り
7回裏、四球で出た走者を、
星稜キャプテン山瀬が左中間へのタイムリーで返し、3−2。
一点差につめよります。
さらに、二死一二塁から3番知田のライト前タイムリー、3−3。
同点に追いつきます。黄色の星稜アルプスは、大歓声。
さらに、変わった岩崎を攻め、二死満塁とし、5番大高。
最大の勝負所を迎えます。
大高は3球目を果敢に打ちに行くも、セカンドフライ。
絶好のチャンスを逃します。
ピンチの後にチャンスあり。
犠打で三塁に走者を進め、7番野口を迎えます。
5、奥川の512球
奥川の、この夏489球目でした。
渾身のストレートを野口がはじき返しセンター前。
4−3と勝ち越します。
さらに岩崎もタイムリーで続き、5−3とリードを広げます。
9回、星稜は粘りを見せます。
山瀬、有松がヒットを放ち、一死一二塁とします。
初優勝へ、お互いが勝利への執念を見せます。
一発でれば逆転サヨナラ優勝の場面で、星稜は3番知田。
しかし、セカンドゴロ併殺で万事休す。
5−3で履正社が逃げ切り、初の全国制覇を果たしました。
奥川はこの夏512球。
この日は疲れからか、制球が定まらず苦しみましたが、
それでも大会No. 1履正社打線を相手に真っ向勝負。
4番井上との勝負は手に汗握りました。
奥川、山瀬、井上がプロに進みます。
今後の活躍に期待しましょう!