現代版・甲子園の劇的バント試合3選①〜”バントすらできない“
こんばんは、フサイチです。
今日は出勤、教室の掃除をしました。
新入生が来る前ですが、汚すぎて引きました笑
「ディズニーランド計画」実行のために、まずはきれいにしないと。
さて、今日は「現代版・甲子園の劇的バント試合3選①〜”バントすらできない“」です。
甲子園といえば「バント戦術」です。
「バントを制するものは試合を制す」と言われるくらい、
バントは高校野球の定石となっている戦法です。
これまで、バントをめぐり数多のドラマが生まれてきました。
しかし、ここ数年の甲子園は特に、
バントを通したドラマチックな結末が多く見られる気がします。
一見地味な、自己犠牲なイメージがありますが、
バントによる結末になぜこんなにも興奮し、魅力を感じてしまうのでしょう。
第一回の今日は、伝説の試合を振り返ります。
1、”バントすらできない“〜智弁和歌山vs星稜〜
2019年夏、3回戦の智弁和歌山対星稜の試合は、
延長14回の死闘となりました。
おそらくこの夏もっとも熱かった試合、
甲子園史上に残るとんでもないゲームでした。
強打の智弁和歌山打線を相手に星稜の奥川は圧巻の投球を見せます。
若干審判が外の球を甘めにとっていたように見えました。
あの球速であの外の球をストライク取られちゃうと打てる球がない。笑
一方、智弁和歌山のエース池田も好投。
智弁和歌山といえば強打のイメージがあります。
一方で、好投手を輩出するイメージはあまりないように思います。
中日の岡田投手以来、特に打撃のチームの印象が強かったんです。
しかし、前年のエース平田、そしてこの年の池田は、
評価の高い本格派の右腕です。
中谷新監督の指導力の高さがうかがえます。
2、延長13回の攻防
両投手の投げ合いで、延長12回を終えて1−1の同点、
星稜の奥川は足をつっており、足を引きずりながらの投球となりました。
試合は無死一二塁から始まるタイブレークに突入します。
一死二三塁にすればワンヒットで2点取ることができます。
しかし、7番佐藤の送りバントは、投球の勢いを殺せず投手前に強く転がります。
奥川は3塁に投げ、フォースアウト。送ることができません。
続く8、9番を三振に取り、無失点に抑えます。
タイブレークは先攻チームが点を取らないと、
後攻チームが心理的にかなり有利になります。
星稜も当然バントを選択。
しかし、智弁和歌山はファースト・サードとも猛チャージする、
「ブルドッグ」でプレッシャーをかけます。
ファーストがバントを取り、三塁に投げフォースアウト。
どちらのチームも送りバントが決まらない。
結局星稜も無得点。奥川・池田両エースの意地がぶつかり合います。
3、好打者の明暗
中谷監督はここでもバントを選択。
セーフティー気味に、自分も生きようとするバントです。
好打者黒川だったので、打たせる選択もあったはずです。
しかし、足をつった奥川、黒川も調子を落とし気味といった状況で、
バントと判断したと思われます。
結局このバントも奥川投手の守備範囲に転がり、三塁で封殺。
三たび、送りバントが決まりません。
これほどバントさせない両チームのディフェンスは、見事としか言いようがありません。
その裏、星稜は先頭の9番山瀬(現巨人)、※
同じく好打者に対し、星稜の林監督は強打を選択。
結果左中間にスリーランホームランを放ち、勝負あり。
結末の瞬間、負けたチームも勝ったチームも涙。
ほとんどの観客がスタンディングオベーションを送りました。
こんな光景は、本来見られません。それほど歴史的な試合となりました。
勝負を分けたのはバントです。
両チーム、バントすらさせないディフェンス力。
そして、お互い好打者の場面でバントをするかしないかという選択。
バントをめぐる一つのプレーに、手に汗を握る展開でした。
※ご指摘をいただき、誤りが見つかりました。
14回裏の先頭は5番奥川投手でした。
奥川 が送りバント失敗のピッチャーゴロ、
一死一二塁で続く6番の福本のサヨナラ3ランでの決着でした。
大変申し訳ありませんでした。
5589さん、ご指摘ありがとうございます!(4月16日)
4、バントは消えない
現代では送りバントは非効率的と言われています。
無死一塁では送りバントより打たせた方が、
得点期待率が高いというエビデンスもあります。
しかし、これからも甲子園からバントが消えることはないでしょう。
「バントを制するものは試合を制す」
確率では計れない、試合の流れを左右する力が、バントにはあるんでしょう。