Babysteps

29才の高校教師です。学校、教育、高校野球について日々の思いを書きます。

甲子園史上最高監督の組織論〜智弁和歌山・高嶋監督と“JK”

皆さん、こんにちは。

スーパーに買い出しに行ったとき、

おそらく友達同士であろうお客さんと店員さんが大きな声でおしゃべりしてて、

「いや、コロナ!」

って思いつつ、

「外でおしゃべりしてたらそんな目で見られる時代なんだな」

と世知辛く思ったフサイチです。

 

さて、今日は「甲子園史上最高監督の組織論〜智弁和歌山・高嶋監督と”JK“」

というテーマで話します。

智弁ファンの方はお気づきかもしれませんが、JKは女子校生ではありません笑

智弁和歌山高校といえば、高校野球の超名門です。

そこで2018年夏まで監督をしていたのが高嶋仁さんです。

甲子園通算68勝は監督としての勝利数歴代1位、

つまり、控えめに言って

高校野球史上最高の監督」

であり、

「伝説の名将」

です!!

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朝日新聞デジタルより転載

今日は、高嶋監督から、組織論を学びます。

 

智弁和歌山高嶋仁のセオリー』の中に、このような記述があります。

 

“「結果が出た後の反省は反省ではない」

 髙嶋監督がよく言うことのひとつだ。

 「悪い結果が出て反省するのは誰でもできます。

 『こういうことになるんちゃうか』と考えて、それをせんようにするのが準備ですよね。

それは、よう言います」

 

 例えば、接戦で迎えた終盤の守り。

走者が二塁にいて、打順は下位。

外野手はどこに守ればいいのか。

 「『どこに守ってんねん』というのがあるやないですか。

そういうときって、ポテンヒットで点が入ったりする。

アホか、そんなん最初からわかっとるやないかという話です。

 『打てん子やったら、ひとこと声かけろよ』って。

そこですよ」

 

点差、イニング、打者の打力、投手と打者の力関係などを考え、JK(=準備と確認)をする。

さらにそれをJK(=事前の声)で伝え、チーム全体にJK(=情報共有)する。

それが、この場面でやるべきことだ。

 「わかっているだろう」ではなく、わかっていても確認、再確認する。

そこまでしなければ、後で取り返しのつかないことになる。

(中略)

大事な場面できっちりとJKができるかどうか。

これは、普段の練習から習慣づけするしかない。

常にJK(状況を考える)のクセをつける。

反省ではなく、準備をする。

毎日のくり返しが、甲子園で勝てるチームをつくるのだ。”

 

 ここで高嶋監督は、4つの意味の「JK」が勝敗を分けると説いています。

すなわち、

1、準備と確認

2、事前の声

3、情報共有

4、状況を考える

です。

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朝日新聞デジタルより転載


野球はプレーが「止まる」スポーツです。

サッカーは一度スタートしたら、時間が止まらず45分間試合が流れ続けます。

野球は一度投手が投げ、打者が打ち、プレーが終わると、

もう一度投手が投げるまで、プレーが止まります。「間」があります。

その「間」があるからこそ、「JK」をする時間が与えられるのです。

 

次にどんなプレーがあるのか考え、準備し、声を出して周りと共有する。

 

「サードセーフティー(バント)あるよ、頭入れとけ」

「左中間抜けたらカット入るからカバー頼むな」

「バッター左だから、レフト線切れるよ」

「ライナーバック、ライト線以外自分の判断な」

 

今の状況、次のプレーの候補が頭に入っているか、

「準備の差」で勝敗が決まることが多くあります。

ただ打つだけ、いいピッチャーだけのチームが、

ガリガリ進学校に負けるのは、

「JK」の差です。笑

野球選手が声を出さなきゃいけない理由は、

4つの「JK」をしなければならないからです。

 

私も監督時代は、「JK」をしなさいと毎日のように言いました。

当然最初は、

「お前ら、JKは好きか」

「(顔を見合わせながら)はい、好きです」

「なんでだ」

「かわいいからです」

「おバカ」

という、面白くもないベタなやりとりをします。

生徒はこれまた可愛いことに、大爆笑します笑

だんだん面白がって、自分たちで「JK!」と大声で連呼するようになります。

 

これは野球に限ったことではありません。

組織のリーダーとしては、

この4つの「JK」が行われるシステムの構築が、

円滑なプロジェクトの遂行に欠かせません。

特に組織の周りを取り巻く状況確認の「JK」、

確認した情報を共有する「JK」が必須です。

Googleでは、組織とリーダーの会話が大切にしているようですが、

やはり「JK」を重んじた故のことなんだろうなと感じます。

 

偉大な名監督から、まだまだ多くのことを学びたいです!

4つの「JK」で、組織は強くなる!!

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日刊スポーツより転載